人と同じように、犬も高齢になると認知症(痴呆)のような症状が見られることがあります。
痴呆の原因には、老化に伴う脳の神経細胞の減少、脳の委縮、自律神経機能の低下などがあげられていますが、はっきりとしたことは分かっていないようです。
特に柴犬や日本犬の血が入った雑種での発生率が高いと言われ、病院に来る子達を見ているとビーグルでも割と多く見られるような気がします。
痴呆の症状には、飼い主さんの呼びかけに反応しない、排泄を失敗する、昼夜逆転、夜鳴き、徘徊などいくつかありますが、今回は主に徘徊についてお話します。
痴呆になると
・目的もなくトボトボと歩きまわる
・前進し続け、後退が出来ない
・円を描くようにぐるぐると歩き続ける
・角がまがれない
などの症状が見られるようになります。
そうなると、お家の中を歩きまわり、家具と家具との隙間に入り込んで出られなくなったり、部屋の角で身動きがとれなくなったり、といったことが起こるかもしれません;;
この際、ただじっと立ちつくす子もいれば、甲高い声で鳴き出す子もいます。静かに立ちつくしているだけなら問題はありませんが、もしお家の子が後者だった場合、そのたびに手助けするのは飼い主さんが大変(>_<)
また、歩きまわっている間に物につまづいて転んだり、家具や壁、柱などにぶつかって怪我をしたり、といったことも心配ですよね。
リードにつないでいる子であれば、体にリードが絡んで動けなくなったり、最悪の場合、窒息死ということも考えられます。
飼い主さんが目を離したスキに外に出てしまい、迷子になってしまうこともあります。
外に出てしまうと側溝や川に落ちる、事故に遭うなど、危険がいっぱい・・・((+_+))
徘徊の対策としては、
・その子の行動範囲になるべく物を置かない
・家具類はタオルや梱包に使うプチプチシートなどで覆う
・隙間や角を作らない
・リードをつけず、サークルやケージにする
・施錠をしっかりとする
・万が一のため、迷子札をつける
などができます。
角になってしまう所は段ボールなどで三角柱(三角コーナーのような形) を作り、はめておくことで角をなくすことができます。
サークルを使用する場合も普通のものだと四方に角があるため、円状に変形させられるものや、ジョイントサークルを2つ使用して八角形のサークルにするのもいいでしょう。
また、お風呂のマットなどクッション性のあるものをつなぎ合わせて円形のサークルをつくる方法もあります。これだとぶつかって怪我をする心配もないためオススメです。
このように、ちょっとした工夫で飼い主さんの負担を減らすことができます。ペットも大事な家族ですからお互い最後まで気持よく過ごしたいものですよね。
徘徊でお困りの方はぜひ試してみてください(*^_^*)
トリマー 和田